移民とテロの問題に対して、全体の約3割強が不安を抱いているEU。それと照らし合わせて日本の社会を顧みてみる。

移民問題は39%が懸念を表明…EUの懸念事項をさぐる
欧州連合欧州委員会(European Commission)は2018年1月までに、同会が毎年2回定点観測的に行っているEU全体における世論調査「Standard Eurobarometer」(※)の最新版となる第88回分の結果を発表した。それによると、現在EU全体の最大の懸念として挙げられたのは移民問題で、全体の39%が懸念を表明してい ...
欧州連合欧州委員会が毎年二回定期的に実施している世論調査の最新版が発表された。それによるとeu全体の最大の懸念事項として挙げられたのは移民問題で、39%もの人が懸念を表明していた。 元記事を見る

EUの最新の世論調査の結果、懸案事項として最も多くの人が挙げたのが移民問題で、39%にも登った。

EUの移民問題について言えるのは、国によってスタンスがまちまちな事である。所謂「同化主義」の代表とされる国はフランスで、反対に「隔離主義」の代表とされるのがドイツである。本当はその折衷のような政策が最も最適解に近いのだが、どうしても先述のどちらかに偏ってしまう傾向にある。

また、同調査で移民問題の次に多くの人が懸案事項として挙げているのがテロの問題で、38%にも登っている。

これについても、イスラム系の移民を形式的に受け入れたとしても雇用や様々な側面での差別や迫害かベースに存在し、それを積極的に解消しようという努力の欠如の結果として、彼らが社会に対して不満やフラストレーションを抱え込み、そのはけ口や受け皿となるものが過激思想だったり、原理主義的に基づくヘイト的な活動に結びつくという悪循環を招いている。

このニュースのまとめ

上記を踏まえて、改めて今の日本の社会を顧みてみよう。移民については、実は千年以上前から、中国や朝鮮半島からの「渡来人」を受け入れているし、大阪や神戸のようにコリアンタウン的なコミュニティが存在する。同化を強いる訳でもなく、かつ社会の底辺に隔離するのでもなく、実に上手に「共存」している。さらに、おそらく日本ではイスラム系の人たちがテロを起こす危険性は極めて少ない。なぜなら様々な宗教に対してものすごく寛容だからである。クリスマスを祝ったすぐ後に神社に初詣に行き、亡くなったらお坊さんにお経をあげてもらう。日本人の大半がそれを当たり前のように受け入れている。つまり、EUが直面している問題の答えを、既に日本は手にしているのである。あとはそれをどうやって「共有」するか、更に踏み込んで言えばヨーロッパの人々が日本人の営みから学ぼうという意思があるか、ということなのである。


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