成功するアンケート調査とは?種類から成功のポイントまで徹底解説!



商品の満足度や、広告の認知度・イメージ調査など、多くの企業でアンケート調査が行われています。多様化する消費者の行動や意識を理解し、売れる商品やサービスを提供するために、アンケートは欠かせません。しかし、いざアンケートを実施しても、結果が使えない、活用できない、というケースも少なくありません。そこでこの記事では、アンケートを成功させるためのポイントをアンケートの種類の説明やサービスの紹介も含めて解説します。ぜひご活用下さい。

1.なぜアンケート調査が必要なのか?


高度経済成長期には、モノは作れば売れる時代でした。しかし、近年は人々の生活の中にモノがあふれ、持つ時代から持たない時代へと変容しつつあります。消費者にとって、多くの製品やサービスは大差がなくなっています。そのため、ニーズを的確に掴み、他社と差別化した付加価値をつけなければ、選ばれる商品・サービスになりません。また、消費者の行動もテレビや雑誌で情報収集する時代から、SNSやインターネットから情報収集する時代に変化しています。このように、多様化する消費行動やニーズを理解するために、アンケート調査が必須です。

2.アンケート調査の種類とメリット・デメリット


アンケート調査の需要が高まるにつれて、調査の種類も豊富になりました。調査には、大きく分けて、定量調査と定性調査の2種類あります。これらの調査の特徴や種類を解説します。

2-1.定量調査とは


定量調査とは、量を集めることを重視する調査のことです。広告の認知度や製品の満足度などを量的なデータで判断します。基本的には、質問に対する回答の選択肢が用意されています。そのため、たとえばAと答えた人が全体の何%で、Bと答えた人が何%といった分析が可能になり、結果が数値データとして表されます。定量調査は、対象者全体の傾向を客観的な指標で把握できるというメリットがあります。一方で、用意した選択肢の中からの回答となるため、深堀調査が難しくなります。定量調査には、具体的には以下のような種類があります。

  • インターネット調査

  • 現在、企業で最もよく用いられる調査方法です。各調査会社に登録しているモニターと呼ばれる対象者に対して、主にweb画面上に表示される質問票に回答して貰う方法です。回答データはシステム側で集計され、エクセルなどの形式で提供されるため、集まった回答を手で入力する手間がありません。
    インターネット調査の詳しい説明は、こちら も参考にしてください。

  • 郵送調査

  • 紙に印刷した質問票を対象者に郵送し、回答を返送して貰う調査方法です。インターネットの普及前にはこの方法が一般的でした。現在も、インターネットを利用しない、シニア層を対象とする調査に用いられます。政府や地方自治体による世論調査などにも用いられています。回答データは、紙で回収する形のため、回答結果の入力が必要です。

  • 電話調査

  • 質問の内容を、電話で回答してもらう方法です。インタビュー形式を取る場合もあります。こちらも、インターネットを利用しない、シニア層などを対象にすることができます。郵送調査に比べて手間がかからない分、不在の場合には回答が回収できないというデメリットがあります。

  • タブレット調査

  • 店舗やイベント会場などにタブレット端末を用意し、そこに表示されるアンケートに答えてもらう形式です。店舗やイベントに訪れている際の回答のため、記憶が鮮明で、回答の信頼性が高いものとなります。また、操作が簡単なため、シニア層の回答も集めやすいメリットもあります。

  • ホームユーステスト/会場調査

  • ホームユーステストは、新商品の使用感を確認する際に用いられます。サンプル商品を一定期間、自宅で使用して貰い、その後にアンケート評価をして貰います。化粧品や洗剤など、実利用環境下で評価して貰いたい場合に向いています。会場調査は、同様に新商品を評価する場合に用いられますが、用意した会場で実際に手に取って評価して貰います。食品や飲料など、実利用環境にこだわらない製品の場合には、会場調査の方が実際の反応を確認することができるため、向いています。

  • ミステリーショッパー(覆面調査)

  • 飲食店やアパレルなどの店舗に、調査員が顧客として来店し、確認項目に沿って店舗の雰囲気やスタッフの客対応などを評価する方法です。

  • ソーシャルリスニング

  • TwitterなどのSNS上の投稿情報を分析する方法です。消費者自身が、SNS上で自由に発言するようになったため、生の声を集める方法として登場しました。定性調査のように、自由な発言を集められる一方で、発言数などの量データも収集できます。発言回数は時系列で確認可能であり、発言内容はテキストマイニングで分析します。新キャンペーンや広告配信を開始した直後に、生の反応を見る際に向いています。


2-2. 定性調査とは


定性調査とは、定量調査のような回答の選択肢を準備せず、対象者が思った通りに発言をするような調査方法です。定量調査では明らかにできない、発言の意図や背景などの深堀調査を行う、質的な調査です。定性調査は、対象者を深く理解できるというメリットがあります。また、自由な発言が行わるため、企業側の担当者では気づかなかった視点での意見が出てくることが期待できます。一方で、手間がかかることがデメリットです。インタビューでは、一般的に1人もしくは1グループに30分~1時間程度の時間が必要となります。また、結果は発言記録の形をとるため、分析にも時間がかかります。定性調査には、具体的に以下のようなものがあります。


  • フォーカスグループインタビュー/デプスインタビュー

  • 最も一般的な定性調査です。フォーカスグループインタビューは、対象グループに対して、座談会形式で発言をして貰う形式です。提示するテーマに沿って、自由に発言を行います。グループ内の他のメンバーの発言が引き金となって、話が盛り上がったり、新しい発想を呼び寄せたりすることも期待できます。デプスインタビューは、1人に対するインタビュー形式の調査です。消費者の普段の行動や意識、それらの背景などを最も深く確認できる調査です。どちらの調査も、データは発言内容です。これらの分析は、基本的には、テキストマイニングだけでは十分な結果が得られないため、発言の流れや意図などを確認しながら、発言内容を整理する作業が必要です。

  • フォト調査

  • 製品の使用環境や、消費者の普段の生活の様子を写真データで把握する調査です。たとえば、家電製品がどのような場所に置かれ、どのような使われ方をしているのかを写真で撮影し、データ送信して貰います。かつては、訪問によってこれらの使用環境を確認していましたが、インターネットやスマートフォンの普及により、より簡単にデータ収集できるようになりました。

  • アイトラッキング調査

  • 消費者の目線の動きをとらえる調査方法です。たとえば、陳列棚の商品のうち、何を、どの順番で、どのくらい見ていたのか、を把握することができます。商品陳列の他、webサイトのユーザビリティ調査にも向いています。


3.成功するアンケート調査のポイント


アンケート調査の種類は豊富で、得られる情報も幅広くなってきています。しかし、アンケート実施後の結果が活用されるためには、実施者側で注意しなくてはならないポイントがあります。どのような点に気を付けるべきか、調査の流れにそって解説します。

3-1.基本的なアンケート調査の流れ


まずは、基本的な流れを確認しましょう。


  1. アンケート調査を企画する

  2. 最初に、なぜアンケート行うのか、アンケートで収集したデータをどのように使うのか、を整理します。この際、目的に応じて、どのような調査手法を選ぶのか、分析方法をどうするのかも決めておきます。また、アンケートの対象や回収数も決めます。

  3. アンケートの調査票を作成する

  4. 次に、アンケート調査票を作成します。何を、どの順番で聞くのか、選択式の場合には選択肢を記載します。インタビュー調査の場合は、各質問に使う時間も決めておきます。

  5. アンケート調査を実施する

  6. 作成した調査票に基づいて、調査を実施します。この際、アンケートの対象者を絞るために事前調査を実施することもあります。

  7. 結果を分析し、共有・報告する

  8. 回答の回収後、分析を行います。分析から得られた情報をレポート形式で整理し、次の活動にどのように生かせるか、を関係者に共有・報告します。


3-2.調査実施の際に気を付けるべきポイント




  1. 調査目的を整理し、仮説を立てる

  2. アンケート調査の中で、最も重要なのは調査目的を明らかにしておくことです。調査票を検討する中で、木を見て森を見ずとなり、本来の目的からそれていくことは少なくありません。調査目的を明らかにする際には、その上位にあたるマーケティング目的を整理し、そこから調査に何を求めるのか、を考えるようにすることが大切です。また、仮説は2側面で作成する必要があります。ある仮説を持ち、それを検証しようとした際に、結果が思った仮説通りにならないことはあります。その際、「仮説通りでなかった場合」としての仮説も準備しなくては、結果が使えないものになりかねません。

  3. 調査目的に即したアンケート手法を選択する

  4. 数ある手法の中から、最適なアンケート手法を選ぶことも大切です。たとえば、広告の認知度を調べるのに、定性調査では客観的な数量データが得られませんし、逆に新商品コンセプトに対する意見を幅広く求めたい時に、定量調査では十分な意見が集められません。

  5. 信頼できる質の回答が得られるように質問を作り、シミュレーションする

  6. 調査票を作成する際は、流れや設問数、使う言葉などに気を付ける必要があります。定量調査であれば、質問が多すぎると、回答者は負担を感じて、回答の質の低下や、数が集まらないことにつながりかねません。あいまいな表現やわかりにくい表現では、質問の意図が理解されたかがわからなくなり、やはり回答の質が信頼できなくなります。実施する前に、関係者でシミュレーションするようにしましょう。

  7. 正確な分析を行う

  8. 極端な例になりますが、10人を対象とした満足度調査を行った場合、4人が不満足であると答え、6人が満足であると答えたとします。この際、60%が満足した、と分析するのは正しいでしょうか。その差が2人だけなのにも関わらず、満足度が高い、と結論づけてしまうのは少々強引かもしれません。たとえ、対象者数が100人に増えても、数パーセントの差である場合に、それを有意な差ととらえてよいのか、という問題は出てきます。その差が、有意な差なのかどうかも考慮して、分析・確認する必要があります。


4.アンケート調査サービスの紹介


アンケート調査を成功させるには、注意すべきポイントがいくつかありますが、調査会社に委託すれば、サポートを受けられます。ここでは、の調査会社・サービスを3社紹介します。

100人アンケート


100人アンケートは、業界最安値のネットリサーチサービスを提供しています。最も安い6800円のプランで、選択式の設問数が3問、記述式は1問と設問数は抑えられていますが、調査会社のサポートを受けることができます。また、30ページのレポートも納品されます。数問のアンケートを行いたい場合に向いています。

参考:https://100nin.jp/

マクロミル


マクロミルは、年間25,000件以上のプロジェクト経験を持つ、大手の調査会社です。100万人の自社モニターと提携先のYahoo!リサーチ・モニター100万人の、合わせて200万人の豊富なモニターを抱えています。調査手法や分析方法も幅広く、最適な調査の実施とサポートが期待できます。ただし、費用は数十万円~数百万円以上必要です。

参考:https://www.macromill.com/

Questant


Questantは、マクロミルが提供するセルフのネットアンケートサービスです。調査会社のモニターを使わず、自社の顧客リストを利用して、アンケートを配信・回収します。調査会社のモニターを使う場合に比べて、費用を抑えることができます。無料のものでも、10問、100人まで配信が可能で、アンケートも簡単に作成できます。ただし、サポートは得られませんので、質問の内容や選択肢、選択方法は自社で検討する必要があります。

参考:https://questant.jp/

5.まとめ


この記事では、アンケート調査について、その種類や成功のポイントを解説し、調査会社・サービスを3社紹介しました。
ニーズを的確につかみ、商品やサービスの開発・改良につなげるためにはアンケート調査が必須となっています。また、調査手法も増え、目的に応じた調査を行うことは以前よりも簡単になってきています。この記事を参考に、適切な方法を選ぶと同時に、注意すべき点をおさえて、アンケート調査を成功させてください。