インターネットリサーチ成功のポイントとは?活用場面から5社の比較まで解説!



広告やブランドの認知度・好感度や消費行動を把握するために、多くの企業でインターネットリサーチが日常的に行われています。しかし、インターネットリサーチといっても、種類は豊富で、活用場面も幅広いものです。インターネットリサーチの概要や活用方法など知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、インターネットリサーチの活用場面、成功のコツからネットリサーチ会社の選定のポイント、5社の比較まで徹底解説します。ぜひ参考にして下さい。




インターネットリサーチ(ネットリサーチ)とは


ネットリサーチとは、インターネットを通じたアンケート調査です。主には、調査会社に登録しているモニターあるいはパネルと呼ばれる対象者に対して、web上でアンケートを表示し、回答を回収する定量調査です。インターネットの普及により、これまでの郵送調査よりも手間をかけずに多くのデータを回収できるようになりました。また、現在ではパソコンだけではなく、スマホやタブレットからの回答率も高いため、これらの端末からの回答も想定して、画面設計が行えます。




ネットリサーチの活用場面


技術の進歩により、ネットリサーチの活用場面は広がっています。代表的なものを解説します。

ブランドイメージ・広告調査


自社あるいは他社のブランドイメージや広告の認知度・好感度を調査することができます。各ブランドに対する認知度確認の他、同カテゴリ内で思い浮かぶブランドを自由に記述して貰うことで、カテゴリ内での自社の存在感を確認することができます。広告調査の場合には、実際に放映した、あるいはインターネット上に広告として掲載した動画や画像をアンケート調査内に埋め込み、調査することも可能です。

商品・サービス満足度調査


自社あるいは他社の商品やサービスを提示し、満足度を確認することができます。この際、商品やサービス全体に対する満足度だけではなく、パッケージや価格、使用感などの要素に対しての満足度も確認できます。

商品コンセプト受容性調査


新商品のコンセプトに対する購買意向や適正価格を調査することができます。複数の機能や要素で構成される製品の場合、一番購買意向が高い組み合わせはどれか、といった内容も確認できます。
また、商品サンプルがある場合は、自宅で実際に使ってもらい、使用感や購買意欲を確認することも可能です。

ユーザーや消費者の意識・行動調査


自社製品のユーザーや、一般消費者の意識・行動を把握する調査も行えます。例えば、飲料メーカーであれば、どのくらいの頻度でお酒を飲むのか、どのような場面でお酒を飲むのか、を定量的に集めることができます。また、商品の実際の設置場所をスマホのカメラで撮影して貰い、アップロードして貰うことにより、利用シーンやニーズの定性的な調査も行えます。さらに、近年はweb会議システムを利用して、遠隔でのインタビュー調査も行えるようになりました。グループインタビューやデプスインタビューなどの深堀調査もネットリサーチで行えます。

定性調査前のリクルート調査


定性調査の際に、対象者を絞りこむリクルート調査もネットリサーチで登録モニターの中から抽出することができます。対象者の絞り込みは年齢や性別、居住地域などのモニター登録情報だけでは不十分な場合もあります。その際に、飲酒を週何回行っているか、といった行動情報や、システムの導入権限があるか、といった細かい属性情報をネットリサーチで収集することにより、より適した対象者を抽出することができます。

従業員満足度調査


消費者調査だけではなく、自社の従業員満足度調査にも活用できます。結果を所属部署や役職で比較することにより、課題の発見に繋がります。また、定期的な調査を行うことにより、施策の効果を測ることができます。




ネットリサーチ成功のコツ


せっかくリサーチを行ったのに、その後の活動に活かせないケースも少なくありません。そこで、ネットリサーチを成功させるコツについて、代表的な定量調査のステップにあわせて説明します。

調査目的の整理、仮説の作成


ネットリサーチは、質問票を作成しますが、質問を考えていくうちに、本来の調査目的からそれてしまうことは少なくありません。特に、関係者間で具体的な質問や選択肢を検討する中で、それていくことが多いため、あらかじめ関係者間で、リサーチ目的とどのようなデータが必要かのすり合わせが必要です。プロジェクトの課題解決のための参考データとして調査を行う場合には、その課題を整理し、そこからマーケティング目的、調査目的とブレークダウンすると、使えないデータが出てくることを防ぐことができます。また、仮説を作成する場合には、想定していた仮説が棄却された場合も考慮して調査を設計しておくことが大切です。

調査企画書の作成と調査設計


本来の調査目的から逸れないようにするため、あらかじめ調査の大枠の設計を考え、企画書を作成することも大切です。たとえば、どのような対象者を選ぶのか、といった内容や、どのような項目を確認するか、も整理しておくようにしましょう。一般的には、調査をするとなると、あれもこれもと詰め込みたくなる傾向にあります。しかし、予算や回答者の回答負荷もあり、設定できる質問数には制限があります。そのような場合に備えて、自社製品調査だけではなく、他社製品調査も行うのか、コンセプトの受容性だけではなく、価格調査も行うのか、などあらかじめ方向性を決めておくようにしましょう。

調査票の作成


リサーチに用いる調査票を作成する際にもコツがあります。まず、回答者の回答負荷が高くなってしまうと、途中でリサーチから離脱してしまうことが発生します。このような状況になると、回答数が集まりにくくなったり、あるいは適当な回答が増えてしまったりといったことになり、質も低下してしまいます。質問の数を抑えたり、マトリクス形式と呼ばれる質問を表にまとめる方法を使ったりすることで、回答負荷を下げることもできます。使用する言葉にも気をつけましょう。社内用語やあいまいな言葉を使ってしまうと、回答者は何を指しているのかわからなくなり、回答の質が低下してしまいます。

分析方法の選択


リサーチ実施の前に、分析方法をあらかじめ決めておくことも重要です。分析方法によって、設問の設計が変わってくるためです。たとえば、適正価格を確認したい場合には、PSM分析という方法があります。価格調査では、この商品はいくらであれば買いたいと思うか、といった質問やこの商品が〇〇円であれば買いたいと思うか、といった質問を設定することが多いですが、PSM分析では異なる質問の仕方をします。PSM分析は、いくらから高いと思うか、逆に安いと思うか、いくらから高すぎて買えないと思うか、いくらから安すぎて品質に不安を感じるか、を確認し、これらの価格の交点を求めることで、理想的な価格幅を調査できます。また、想定している新商品を構成するいくつかの要素があり、どの組み合わせが最適かを確認する際には、コンジョイント分析という方法もあります。コンジョイント分析は、価格を含む異なる要素を組み合わせた商品を数パターン提示し、それらを評価して貰います。実際の購買行動に似た、複数の商品から選択をして貰うことで、どの要素が最も強く購買行動に影響を与えるのか、どの要素が購買行動に影響をあまり与えないのか、がわかるため、商品スペックを検討するのに役立ちます。




適切なリサーチ会社の選び方


成功するリサーチを行うためには、リサーチ会社の選び方もとても重要です。確認すべきポイントを取り上げます。

パネルの質


調査目的に合った対象者を抽出するためには、そのような対象者を多く保有しているリサーチ会社を選ぶ必要があります。数が多ければ、求める回答数を集められる確率や、対象者を抽出できる確率はあがります。また、B to Bビジネスであれば、ビジネスパネルと呼ばれる社会人のパネルを保有しているか、も核にしておきましょう。海外調査を行う場合には、海外対応ができるかどうかも重要です。

回答精度の管理


アンケートモニターは、回答することで得られるポイントを目的として登録しているケースがほとんどです。したがって、ポイント目当てで適当な回答をするケースも想定されます。このような回答を除外する対応を取っているかも重要です。たとえば、自由記述の回答に意味のない適当な回答(「あ」など)が入っているものを除外したり、回答時間が短すぎて、質問を読んでいないと想定される回答をはじいたりする対応を取るリサーチ会社もあります。

提案力があるか


「インターネットリサーチのコツ」に記載した、調査設計や質問票の作成、分析方法については、優秀なリサーチ会社であれば、最適な方法を提案してくれます。そのため、調査の目的やその上にあたるマーケティング目的を説明した際に、どのような提案を出してくれるか、を確認するようにしましょう。取り扱い件数が多く、優秀なリサーチャーを抱えているリサーチ会社であれば、この提案力は高いと想定できます。

対応力があるか


リサーチ準備や分析の途中で、質問が出てくることも想定されます。このような場合に、すぐに対応して貰えるか、も重要です。リサーチ会社によっては、対応期間中に専属のリサーチャーをつけてくれますので、電話などですぐに回答をしてくれることが期待できます。また、営業担当者ではなく、リサーチャーに直接連絡が取れる場合には、分析方法について細かく確認できますし、対応のスピードも速くなります。




主なリサーチ会社・サービス5社の紹介と比較


インターネットリサーチを行っているリサーチ会社は多数ありますが、それぞれに特徴があります。調査目的に応じて、リサーチ会社を選ぶようにしましょう。主なリサーチ会社を説明します。

100人アンケート


上記にあげた大手3社のリサーチ会社は、いずれも大手企業を顧客に持ち、費用も数十万円~数百万円と高額です。対して、100人アンケートは、業界最安値のネットリサーチサービスを提供しています。最も安い6800円のプランで、選択式の設問数が3問、記述式は1問と設問数は抑えられていますが、調査会社のサポートを受けることができます。また、30ページのレポートも納品されます。簡単なアンケートや本格的なリサーチ前のプレリサーチとして利用する場合に最適です。

参考:https://100nin.jp/

マクロミル


マクロミルは、年間25,000件以上のプロジェクト経験を持つ、大手の調査会社です。100万人の自社モニターと提携先のYahoo!リサーチ・モニター100万人の、合わせて200万人の豊富なモニターを抱えています。調査手法や分析方法も幅広く、最適な調査の実施とサポートが期待できます。

参考:https://www.dm-insight.jp/

楽天インサイト


楽天インサイトは、楽天グループが提供するリサーチサービスです。アンケート回答者の楽天市場での購買ログや、楽天検索での検索情報が確認できるため、アンケート内容と実際の行動をつきあわせての分析が可能です。

参考:https://insight.rakuten.co.jp/

インテージ


インテージは、1960年に設立されたリサーチ会社のパイオニアで、現在も売上高で業界1位を獲得しています。リサーチやマーケティングの広い知見により、高い提案力を有しています。保有するパネルも豊富で、4000店舗の小売店パネル、90万代のスマートテレビ視聴データ、ビジネスパネルなど様々な区分でのパネルを保有しています。

参考:https://www.intage.co.jp/

Questant


Questantは、マクロミルが提供するセルフアンケートサービスです。調査会社のモニターを使わず、自社の顧客リストを利用して、アンケートを配信・回収します。調査会社のモニターを使う場合に比べて、費用を抑えることができます。低価格ながら、マトリクス形式の質問も設定でき、回答者の回答負荷を抑える設計が可能です。ただし、サポートは得られませんので、質問の内容や選択肢、選択方法は自社で検討する必要があります。

参考:https://questant.jp/

まとめ


この記事では、ネットリサーチについて、活用場面や成功のコツ、リサーチ会社の選び方を解説し、リサーチ会社・サービスを5社紹介しました。広告認知度調査や商品コンセプト受容性調査から従業員満足度調査まで、ネットリサーチの活用場面は幅広く、多くの企業で取り入れられています。一方で、種類やリサーチ会社も多いため、どのようなリサーチ会社、どのような設計が最適かの判断も難しいと言えます。リサーチ成功のコツやリサーチ会社選定のポイントを知り、ネットリサーチを活用してください。